RをWolfram製品に接続する方法
Rは統計計算向けのプログラミング言語かつソフトウェア環境です.Wolfram言語パッケージに含まれるRLinkは,JLinkライブラリとRJava/JRIライブラリを使って,RをWolfram製品に接続します.RLinkを使うと,Wolfram言語とRの間でのデータのやり取りや,RコードをWolfram言語内で評価することができます.
RをWolfram言語に接続するためには,以下の設定をする必要があります.Wolfram言語13.0を基盤とするWolfram製品が対応しているRのバージョンは,3.6.3までとなっていますのでご注意ください.
- お使いのマシンに新しいJDK (Java development kit)がインストールされていることを確認してください.
- マシンにまだRがインストールされていない場合は,信頼できる場所からバージョン3.6.3をダウンロードして,インストールしてください.
- Windowsをお使いの場合は,現在のRセッションについて環境変数JAVA_HOMEをJDKの場所に設定します.
- 「スタート」メニューから「システムのプロパティ」ウィンドウを開き,「環境変数」を検索して「システム環境変数の編集」を選びます.
- 「詳細設定」のタブで「環境変数」を選び,JAVA_HOME変数がJDKの場所を指すように加えるか編集するかします.
デフォルトではJDKの場所はC:\Program Files\Java\jdk-11.0.8\bin
です.
- Rのインタラクティブコンソールを起動します.
- コンソールでrJavaライブラリをインストールします.
> install.packages('rJava')
- RのインストールフォルダにインストールされたrJavaライブラリとJRIライブラリの場所を調べ記録してください.
> .libPaths()
Windowsでは通常以下のようになります.
[1] "C:/Users/Wolfram/Documents/R/win-library/3.6" "C:/Program Files/R/R-3.6.3/library"
macOSでは以下のようになります.
[1] "/Library/Frameworks/R.framework/Versions/3.6/Resources/library"
Linuxでは以下のようになります.
[1] "/usr/lib64/R/library" "/usr/share/R/library"
- Wolframプログラム内で以下の入力を評価してRをインストールします.
Windowsの場合は,前のステップで記録したパスが
"C:/Users/Wolfram/Documents/R/win-library/3.6", "C:/Program Files/R/R-3.6.3/library"
ならば,以下を評価してください.In[1]:= JLink`UninstallJava[] In[2]:= Needs["RLink`"] In[3]:= InstallR["RVersion" -> "3.6.3", "RHomeLocation" -> "C:/Program Files/R/R-3.6.3/", "JRINativeLibraryLocation" -> "C:/Users/Wolfram/Documents/R/win-library/3.6/rJava/jri/x64"]
macOSの場合は,前のステップで記録したパスが
"/Library/Frameworks/R.framework/Versions/3.6/Resources/library"
ならば,以下を評価してください.In[1]:= JLink`UninstallJava[] In[2]:= Needs["RLink`"] In[3]:= InstallR["RVersion" -> "3.6.3", "RHomeLocation" -> "/Library/Frameworks/R.framework/Versions/3.6/Resources", "JRINativeLibraryLocation" -> "/Library/Frameworks/R.framework/Versions/3.6/Resources/library/rJava/jri"]
Linuxの場合は,前のステップで記録したパスが
"/usr/lib64/R/library","/usr/share/R/library"
ならば,以下を評価してください.In[1]:= JLink`UninstallJava[] In[2]:= Needs["RLink`"] In[3]:= InstallR["RVersion" -> "3.6.3", "RHomeLocation" -> "/usr/lib64/R/library/Frameworks/R.framework/Versions/3.6/Resources", "JRINativeLibraryLocation" -> "/usr/share/R/library/rJava/jri"]
- 次の例を評価して,Rが正しくインストールされたことを確認してください.
In[4]:= REvaluate["R.Version()"] Out[4]= RObject[{{"x86_64-w64-mingw32"}, {"x86_64"}, {"mingw32"}, {"x86_64, mingw32"}, {""}, {"3"}, {"6.1"}, {"2019"}, {"07"}, {"05"}, {"76782"}, {"R"}, {"R version 3.6.3 (2019-07-05)"}, {"Action of the Toes"}}, RAttributes["names" :> {"platform", "arch", "os", "system", "status", "major", "minor", "year", "month", "day", "svn rev", "language", "version.string", "nickname"}]]
In[5]:= REvaluate["1:10"] Out[5]= {1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10}
[English]