リモートのWolfram言語カーネルへの接続を手作業で設定する方法
リモートカーネルへの接続を手作業で設定すると,デバッグに役立ちます.リモートカーネルに接続できない場合にこの方法をお試しください.
- Mathematicaをローカルマシンで起動させます.
- メニュー項目の「評価」 ► 「カーネル環境設定…」に進みます.
- 新しいカーネルを加え,設定するためには「追加」をクリックします.macOSでは左下の「+」記号をクリックします.「カーネル環境設定」ダイアログが開きます.
- 「Remote Kernel」等,適切な名前をリモートカーネルに付けます.
- 「基本設定条件」で,「起動場所」を「ローカル」に設定してください.
- 「カーネルプログラム」を空欄にします.
- 「詳細設定」をクリックします.「MLOpenの引数」のフィールドに,以下を入力します.
-LinkMode Listen -LinkProtocol TCPIP
- 「OK」をクリックします.
- 新規のノートブックが開きます.
- メニュー項目の「評価」 ►「ノートブック用カーネル」と進み,先ほど作成したカーネルの名前をクリックします.
- ノートブックの中で以下のコマンドを評価してください.
$Version
Mathematicaのバージョン番号の代りに,リンク名のメッセージボックスが表示されます.
MathLink Link created on:
- 後で使えるようにこのリンク名を記録しておいてから,「OK」をクリックしてダイアログを閉じます.ノートブックのタイトルバーにはまだ「実行中…」と表示されています.
- リモートマシンに接続して,そこでWolfram言語カーネルを起動します.
- このカーネル内で以下のコマンドを評価してください.
$ParentLink = LinkConnect["linkname", LinkProtocol->"TCPIP"]
ここで”linkname”は,先ほどメモしておいたリンク名をダブルクォーテーションマークで囲んだものです.例えば,リンク名が
port1@machine.domain.com,port2@machine.domain.com
の場合には,以下を実行します.
$ParentLink = LinkConnect["port1@machine.domain.com,port2@machine.domain.com", LinkProtocol->"TCPIP"]
これで,ローカルマシン上で開いているノートブックに,現在リモートで接続しているMathematicaのバージョンが表示されるようになります.
これは,ローカルマシンでリモートカーネルが使えるようになったことを示しています.
[English]